いびきは子供の順調な成長を阻害する
気道は、言葉の発声、食物の飲み下しなど、生活上重要な動作にかかわる部位です。
だから、ここに扁桃腺肥大などのトラブルがあると、いびき・呼吸障害・物が食べにくいなどのさまざまな不都合が生ずるわけです。
扁桃腺肥大などで気道が狭くなり、その分食べ物が飲みこみにくければ、それを補うためにジュースなどを飲み、食べ物を流しこむようになります。
いびきのひどい子供は、ほかの子供より、飲み物を口に運ぶ回数が多いことがわかります。飲み物で流しこまないと、うまく喉を通らないのです。
すると、どうなるか? 当然、飲み物だけで腹がふくれてしまいます。その分ごはんやおかずが十分食べられなくなり、栄養面で問題が生じます。
子供のいびきは偏食を産む
また、いびきは偏食にもつながりやすくなります。それは、飲みこみやすいものだけを好んで食べるようになってしまうからです。飲み込みにくいものを無理に□に入れると吐いてしまいます。
例えば、生野菜類はパサパサして飲みこみにくいから、嫌って食べなくなります。子供はただでさえ野菜がキライなのですから、いびきの子供の野菜不足はまことに深刻なものとなります。
そのうえ、麺類など飲みこみやりいものばかりを食べたがるようになるので、栄養の偏りがいっそうひどくなるのです。
栄養不足が成長を妨げる
子供の栄養不足は、大人のそれよりずっと深刻です。発育途上にある子供が十分な栄養を摂らないと、体重が増えないばかりか、骨格の健全な成長が妨げられてしまうからです。ひどくなると、胸の形まで変わってしまいます。
子供のころ、服や靴などを買う際、少し大きめのサイズを買ったことを思い出してください。成長期には、大きめのものを買っても、着ているうちに身体のばうがグングン大きくなり、いつの間にかピッタリになっているものです。急激に身体が発育する時期には、そのエネルギーとなる栄養を十分摂らなければならないのです。
慢性の寝不足で成長しない
また、いびきが引き起こす慢性睡眠不足も、子供の発育不良に拍車をかけます。「寝る子は育つ」とよくいいますが、あれは単なるたとえではありません。
「栄養を摂り、運動をし、休息をとる」というリズムを保ってこそ、健全な成長が促されるものなのです。
プロのスポーツ選手は、トレーニングと同じくらい、休息の時間というものを大事にします。筋肉は酷使するだけでは鍛えられず、トレーニングのあとにきちんと休息してこそ鍛えられることがわかっているからです。
子供の発育も同様で、まさに「寝る子は育つ」なのです。そして逆に、「よく寝ない子はよく育だない」ともいえます。いびきによって眠りが浅くなり、慢性睡眠不足に陥っている子は、その点でも発育を妨げられることになります。
さらに人間は睡眠をとることで体内のホルモン分泌のバランスを取っています。特に子供の成長に必要な成長ホルモンは、睡眠中に多く分泌されるため、いびきによって十分に睡眠がとれないと、成長ホルモンの分泌が悪くなります。そのため正常な発行ができなくなるのです。
まとめ
食べ物が飲みこみにくいことからくる栄養不足と、いびきが誘発する睡眠不足、二つの悪条件が揃っているのですから、いびきの子供がえてして発育不良になるのも無理もないことといえます。
いびきを防止することや、いびき対策は親の責任と考えて、早めに対処しましょう。
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