どれだけ寝ても頭がすっきりしない
いびきから繋がるこの睡眠時無呼吸症候群のどんな点が、「死を招く」ほどに怖いのでしょうか?
睡眠時無呼吸症候群になったからといって、就寝中にいつの間にか窒息死してしまうことはありません。1回ごとの無呼吸は10秒程度のごくわずかな時間で、それ自体が直接「死を招く」わけではないのです。
しかし、私たち人間は呼吸をしなければものの10分と生きてはいられないのですから、短時間でも呼吸停止状態がくり返されれば、それが身体にさまざまな悪影響を及ぼすことは、考えるまでもなくわかります。
その悪影響とは、まず、いびきによる睡眠時無呼吸症候群の人はけっして熟睡できないことが挙げられます。私たちは、安らかな寝息が続いていればこそぐっすり眠れるのです。一時間のうちに何回も呼吸が停止するようでは、熟睡などしようがありません。
睡眠時無呼吸症候群の人は、いびきと呼吸が止まる慢性的な息苦しさのため、身体は眠っていても脳は目覚めているという中途半端な状態に、つねに置かれるようになります。そのため、慢性的な睡眠不足となり、日常生活にもさまざまな支障が生じてきます。
例えば、睡眠時間そのものはたっぷりとっていても、どこか「眠り足りない」感じがいつもつきまとい、頭がボーッとするようになります。
また、必然的に口呼吸となるため、起きた時にひどく口が乾いた感じがします。頭痛がすることも多いでしょう。
眠気をうち消そうと缶コーヒーを1日に5〜6杯も飲んでしまう人もいます。これが肥満や糖尿病の原因にもなるのです。