いびきが様々な病気の原因にも
いびきから派生する睡眠時無呼吸が慢性睡眠不足だけでも十分なマイナス要素ですが、腫眠時無呼吸症候群が引き起こすのはそれだけではありません。睡眠時無呼吸とは一見なんの関係もなさそうな内臓疾患などが、合併症として起こることが多いのです。
睡眠時無呼吸症候群の合併症として最も多いのは、心不全、狭心症、心筋梗塞、不整脈などの心疾患です。
いびきと睡眠時無呼吸症候群が重くなり、長期間に及べば、それが心臓に大きな負担をかけます。
慢性酸欠状態となるため、体内に取り込まれる酸素が不足ぎみとなり、その少ない酸素を身体の隅々まで行き渡らせるために、心臓がフル稼動しなければならなくなるからです。その過重な負担が心臓をいじめ続けると、やがて心不全などの重大な病気となって “暴発”するわけです。
心臓は、動脈を通じて新鮮な血液(酸素たっぷりの血液を体内に送り出し、静脈を通じて体内から汚れた血液(酸素を体内に配分したあとの血液を回収しています。
無呼吸の酸欠状態が続くと、この「送出と回収」のバランスが崩れてしまいます。動脈用の新鮮な血液が不足ぎみとなり、静脈に流れる血液ばかりが増加してしまうのです。
すると、どうなるか? 心臓の左心室内の圧力だけがいびつに上昇、肺動脈の圧力が上昇し、このアンバランスが心不全の引き金となるのです。