鼻や咽頭などの構造異常からくるいびき

鼻や咽頭、口腔に何らかの構造異常があると、それがいびきを生みます。構遣異常が空気の通り道を塞いでしまうので、呼吸の際の摩擦音や粘膜の振動音が人きくなるのです。

 

構造異常といっても、他人から見てすぐわかるようなものから、本人でさえ自覚しにくいものまで、さまざまなタイプがあります。

 

小顎症

 

例えば、アゴが異常に小さいというのも、「小顎症」と呼ばれる一種の構造異常です。アゴが際立って小さければ、睡眠中に舌の後方が落ち込みやすくなり、その分空気の通過が妨げられることになり、いびきの原因となるわけです。重症の場合には手術が必要なケースもあります。

 

小顎症は下顎の構造異常ですが、いびきを引き起こす鼻の構造異常にもさまざまなものがあります。比較的よく知られているものに、「鼻中隔彎曲症」「肥厚性鼻炎」や「鼻茸」があります。

 

 

鼻中隔彎曲症

 

鼻中隔彎曲症は鼻の中心の骨が曲がってしまう病気で、程度がひどい場合は曲がっている部分が空気の通過を妨げてしまい、いびきを引き起こします。

 

 

肥厚性鼻炎

 

肥厚性鼻炎とは、鼻の中の粘膜が炎症やアレルギーにより慢性的に肥厚し、鼻の中が狭くなる病気です。このため鼻呼吸ができなくなり、いびきの原因になります。

 

 

鼻茸

 

鼻茸とは、慢性鼻炎などが引き金となって起こる鼻粘膜のポリープのこと。ポリープが大きかったり、小さくても数が多かったりすると、鼻腔が塞がれ、いびきに結びつきます。

 

 

扁桃腺肥大

 

咽頭の異常にもさまざまなものがありますが、一番多いのが扁桃腺肥大です。扁桃腺が大きくなると、咽頭を塞いでしまうため空気が通りにくくなり、いびきの原因となります。

 

 

 

これらの構造異常からくるいびきを治すには手術が必要な場合が多く、その意味では深刻です。しかし、手術で構造異常さえ治せばいびきも止まるのですから、問題としては単純ともいえます。比べてみれば、肥満からくるいびきのほうがはるかに「怖い」のです。

 

ただし、構造異常からくるいびきも、ほうっておけば慢性化し、睡眠時無呼吸に結びつきます。睡眠時無呼吸は寿命を縮める怖い症状であり、その意味では、構造異常からくるいびきも「怖い」いびきといえます。

 

 

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