睡眠時無呼吸症候群はこうして起こる
いびきから睡眠時無呼吸は、どうして起こるのでしょう?
立ったり座ったりしているときには、鼻から吸った空気はスムースに気道を通り、肺に流れ込んでいきます。
しかし、あおむけに寝ているときには、軟口蓋や喉頭蓋、舌根が、重力によって落ち込み、のどの奥におおいかぶさる状態となります。
このため、気道が狭くなって空気の通りが悪くなり、いびきをかきます。
気道が多少狭くなっても、通常なら呼吸に支障は生じません。が、鼻やのどになんらかの異常があると、そのことがさらに気道を狭くし、吸い込んだ空気がのどの粘膜を摩擦しながら通るため、いびきが出るようになります。
そして、慢性的にいびきをかく状態になると、気道の狭さも慢性化し、ときには睡眠中に完令に気道がふさがってしまうようになります。そのときに、睡眠時無呼吸が起きるわけです。
例えば、鼻づまりが起きている場合、睡眠中は必然的に口呼吸をするようになります。口呼吸をすると、口を開けた状態になるため下顎が下がり、舌根などの落ち込みも鼻で呼吸をしているときよりひどくなります。そのため、気道が慢性的に狭くなり、いびきと睡眠時無呼吸が起こりやすくなるのです。
つまり、睡眠時無呼吸症候群の原因は一つではありません。鼻づまりを引き起こす病気・異常、咽頭、喉頭や口腔(口の中)の閉塞を引き起こす病気・異常は、すべて睡眠時無呼吸症候群の原因になり得るのです。
いびきの原因の主なものを挙げると、以下のようになります。
●鼻づまりを引き起こすもの……鼻アレルギー/鼻中隔彎曲症/肥厚性鼻炎/鼻茸
●川頭・喉頭の閉塞を引き起こすもの……アデノイド肥人/口蓋扁桃肥大/上咽頭腫瘍/軟口蓋異常/喉頭浮腫/喉頭腫瘍/など
●口腔閉塞を引き起こすもの……小顎症(顎の発達が悪いこと)/巨舌症(生まれつき舌が異常に大きいこと)
●その他……肥満(太ると、軟口蓋や咽頭壁に余分な脂肪がっき、気道が狭まる)/末端肥大症(ホルモン異常により舌などが大きくなる)/甲状腺機能低下症(体重増加や浮腫、舌が大きくなるなどの症状にっながる)
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